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PROの臨床的重要性と付加価値について

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共同代表理事の山口です。
小生が気に入っている論文を紹介します。
紹介だけですので、興味を持たれたら、ぜひ本文を読んでください。

Maximising the impact of patient reported outcome assessment for patients and society
https://www.bmj.com/content/364/bmj.k5267

キーメッセージは、
患者報告アウトカム (PRO) データは、医療に関わる様々な関係者によってますます利用されるようになってきている。
これらのデータは患者や社会に大きな利益をもたらす可能性があるが、現在の利用は断片的で最適とは言い難い。
我々は、複数の利害関係者のニーズを満たすために、データ収集のための統合的なエビデンスに基づくアプローチを提案する。
なのですが、自分が気に入っているのは、
Table: Use of PROM data by stakeholders, and current data collection
です。ステークホルダーによって、必要なPROデータ、利用方法、その価値は当然異なります。
全体のガバナンスをマネジメントする枠組みが非常に重要になってくるわけです。
欧米はもうそんな議論をしています。(ちなみにこの論文が出たのは2019年。)

以下、筆者(Calvert先生)の結論です。
PROを日常的な収集し、活用し、共有することは、より良い健康上のアウトカムや資源の利用を通じて、社会に大きな利益をもたらす可能性がある。PROが患者や社会にもたらす利益を最大化するためには、やるべきことがたくさんあることは明らかである。PROデータを標準化し、知識と良い慣習を確立し共有するために、患者、臨床医、PROの方法論研究者、規制当局、政策立案者、関連企業・ベンダーなどが参加する国家規模のマルチステークホルダー運営グループを設立することが重要な第一歩となるであろう。データ収集を統合的に行うアプローチは、最適で効率的な収集を促進し、患者さんの負担を軽減し、患者を中心としたデータを健康や生物医学的な成果とともに活用し、ヘルスケアの課題に大規模に取り組むことができる。
より大きな共同した多くのステークホルダーによる協力的な取り組みが国内外から求められており、PROのメリットを実現するためには、国内外を問わず、より多くの協力的なマルチステークホルダーが必要である。

さあ、日本は?
もっと勉強して欲しいですね。臨床家は特に。

 

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