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Clinical data management in Japan: Past, Present and Future

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共同代表理事の山口です。
以前、FBでも紹介させていただきましたが、
先週開催されたSociety for Clinical Data Management (SCDM) 2022 Conferenceにて講演した論文を再度紹介させてください。

Clinical data management in Japan: Past, Present and Future
https://www.jscdm.org/article/id/45/

1986年に臨床試験の分野で「データマネジメント」という概念を日本に導入したのは故大橋靖雄教授です。大橋先生は欧米で臨床試験のデータマネジメントに触れ、かなりの危機感を持って帰国し欧米のデータマネジメントの状況を繰り返し報告しました。その後、日本製薬工業協会がデータマネジメントに関する検討を始め、1998年からはDIA が毎年1回のデータマネジメントのシンポジウムを開始し現在に至っています。研究者主導のがん研究分野では、下山正徳先生を代表者としたJCOGの統計センターが1991年に国立がんセンター内に設立され、本邦における研究者主導臨床試験を先導してきました。1990年初頭には、いくつかの臨床系学会において臨床試験ガイドラインが発表され、データセンターの設立やデータマネジメントが重要なトピックとして議論されています。
しかしながら、この10年でやっと、国も臨床試験を支えるデータマネジメントの重要性を認識し、基盤整備の要件に含めるにいたったものの、1990年代の状況から現在までの経過は順調ではありませんでした。大橋靖雄先生の先導のもと、日本科学技術連盟において、製薬会社・受託機関社員向けの教育コースが1999年に立ち上がったが、当初は受講者のニーズに合っておらず、データマネジャーには広い見識が必要という理念からはほど遠いものでありました(現在では、初心者向けのセミナーとしてアカデミアの参加者も多くなっています)。
そのような状況においては、データマネジャーを含めて臨床試験支援職の育成や教育が重要な課題となりました。
臨床試験を支える方法論の一つである生物統計学の専門家に関しては教育システムやキャリアパスはそれなりに整備された一方で、データマネジメントに関しては専門性の認識と教育システムが確立せず、現在でも十分ではありません。

さて、日本において、データマネジャーの教育や養成はどのように進んでいったのか?
現状は?
ぜひ論文をお読みいただけますと幸いです。

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