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傷病手当金の支給期間通算化における経過措置について

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健康保険法が改正され、令和4年1月1日より傷病手当金の支給期間が通算化されます。

この法律改正については今年の2月には決定していたのですが、実際の運用については、はっきりしないところがありましたが、その中身が見えてきました。

今回は傷病手当金の令和4年1月1日からの改正について解説していきます。

傷病手当金とは

傷病手当金とは業務外の病気やケガが原因で働けなくなったときに給料の約3分2の金額(正確には標準報酬日額の3分の2)が、健康保険(全国健康保険協会(協会けんぽ)または健康保険組合)から支給されるものです。

傷病手当金の詳細はこちらの記事で紹介しているので気になる方はご覧ください。

基本的には社会保険に加入している本人のみが対象となり、国民健康保険に加入している自営業の方や社会保険に加入している被保険者の扶養家族は対象とはなりません。

傷病手当金の趣旨が収入補償なので、働いている本人のみが傷病手当金支給の対象となります。職種による国民健康保険組合(建設国保など)に加入している方は対象となる場合もあるので、国民健康保険組合に加入している方は保険者に確認ください。

では、令和4年1月1日から傷病手当金の何が変わるのでしょうか

 

ずばり、支給期間が変わります。

令和3年12月31日までの傷病手当金の支給期間

令和3年12月31日までの傷病手当金に支給期間は、支給開始日から1年6ヶ月でした。
支給開始日から1年6ヶ月の期間(船員保険のみ3年)、受給する権利があります。傷病手当金受給後、復職して給与をもらいはじめたら傷病手当金は受け取れなくなりますが、その受け取らない時期も含めて1年6ヶ月でした。

令和4年1月1日からの傷病手当金の支給期間

令和4年1月1日からの傷病手当金は支給期間が通算1年6ヶ月となります。
通算1年6月とは、支給期間をすべて合算して1年6ヶ月という意味です。
つまり、1年6ヶ月の間に出勤期間があれば、その期間を含めないということです。

期間:通算して1年6ヶ月の期間まで支給

出典:第135回社会保障審議会医療保険部会資料

いま傷病手当金を受給している人はどうなるの?

ここで、我々患者は気になることが出てきます。

それは、いま(令和3年12月31日以前)傷病手当金を受給している人の支給期間はどうなるのか?

改正法には次のような経過措置が書いてあります。

第一条の規定による法改後健康保険法第九十九条第4項の規定は、施行日の前日において、支給を始めた日から起算して一年六月を経過していない傷病手当金について適用し、施行日前に第一条の規定による改正前の健康保険法第九十九条第4項に規定する支給期間が満了した傷病手当金については、なお従前の例による。


法律の条文だとわかりづらいですが、令和4年1月1日においてまだ傷病手当金を受給している人は、改正した傷病手当金の通算化を適用し、令和3年12月31日までに傷病手当金の受給期間が満了している人は通算化が適用されないということです。

もっとわかりやすく説明すると、令和2年7月2日以降に傷病手当金の受給を開始した人は、傷病手当金の通算化が適用され、令和2年7月1日以前に傷病手当金の受給を開始した人は通算化が適用されないことになります。

まとめ

令和4年1月1日からの傷病手当金の支給期間の通算化の実際の運用について説明しました。

法律的には経過措置の短い条文ですが、実際にいま傷病手当金を受給している人に大きな問題だと思います。

しかし、まだこの経過措置についてはきちんとした説明がほとんどされていないと思います。

がん患者にとって、傷病手当金の受給の仕方によって働き方や生き方が変わってくると思うので、いま傷病手当金を受給している人は頭に入れておいたほうがいい知識だと思います。

 

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