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RGP2021(オンコロライブ)いよいよ今週末開催です! ~ 屋内ライブコンサートにおける予防策の有効性を評価したランダム化試験 ~

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共同代表理事の山口です。
  
いよいよ、今週末25, 26日に小児がん・AYA世代のがん・臨床試験の啓発・支援のためのチャリティーライブ:Remember Girl’s Power !!2021が開催されます。残念ですが、昨年に引き続き無観客開催となりました。
  
https://oncolo.jp/rgp2021/
  
規制当局のガイドライン等に基づけば、十分な感染対策下のもと有観客での開催は可能でありますが、
1. 未だ緊急事態宣言下であること
2. 共催者、協賛社の多くが医療に関わる団体であること
3. がん体験者など配慮が必要な参加者が想定されること
4. ここ数日首都圏における新規感染者数は減少傾向にあるものの未だ医療現場が逼迫していること
等からの無観客開催の判断を下しました。
しかしながら、感染対策には十分配慮し、無観客・無料配信での開催は予定通り進めます。
  
我々Remember Girl’s Power !!(オンコロライブ)関係者は、科学的根拠にもとづいて感染症リスクを最大限管理することで、開催日直前の状況に応じイベント開催を視野にいれ、参加者の皆様に対しても安心安全に楽しめる小児がん・AYA 世代がん・臨床試験啓発チャリティライブが実施できるよう日々考えております。
  
現在、世界各国の政府や科学者が、安全にライブを再開するための実証実験が行われています。
一例として、7月28日(水)のキャンサー・ベネフィッツのFBで、
屋内音楽ライブイベントにおけるSARS-CoV-2抗原検査の同日実施:ランダム化試験
を紹介させていただきました。
  
研究背景:SARS-CoV-2の感染拡大を防ぐため、屋内での集団集客イベント開催が禁止され、地域経済に重要な影響を与えている。イベント入場時の集団スクリーニングに抗原検出型迅速診断検査(Ag-RDT)が適していることを示すエビデンスが増えているにもかかわらず、この戦略は制御された条件下で評価されていない。本研究では、屋内ライブコンサートにおける予防策の有効性を評価することを目的とした。
  
実証実験の詳細は当日のFB記事をそのまま最後につけましたが、
根拠のない議論を続けるのではなく、
国内外の実証実験に着目し、科学的根拠にもとづいた感染対策の議論を行い、
アクションに結びつけることが重要と思っています。
  
そのようななか、音楽フェスを原則禁止にすべきのような意見に対し、
大村秀章愛知県知事の「感染防止策を徹底した上で両立をやっていただくことに尽きる」というご発言は、ごもっともな前向きなご意見と評価しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/11d5ccff56e36b4d888db3b0abc753ecf83acc04
また、@JAM EXPO 2020-2021ご報告として、以下の記事が掲載されています。
https://www.at-jam.jp/series/expo2021/news/1886
  
関係者、出演者、そして、参加者のみなさまが一丸となって、安心してイベントが開催されるようご努力されています。
私たちもこのような姿勢を見習いたいと思います。
  
#小児がん・#AYA世代 のがん #臨床試験 啓発のための #オンコロライブ(#RememberGirlsPower !! 2021)
ぜひご視聴ください!

  
<屋内音楽ライブイベントにおけるSARS-CoV-2抗原検査の同日実施:ランダム化試験>
(7/28のキャンサー・ベネフィッツのFBから)
    
現在、世界各国の政府や科学者が、安全にライブを再開するための実証実験を行っています。
例えば、以下に紹介記事があります。
  
https://rockinon.com/blog/nakamura/198768
  
記事自体の一つ一つの内容の科学的妥当性については、
申し訳ございませんが、読者のご判断に委ねさせてください。
ただ、世界が一丸となって、
コロナ以前と同様のライブ、エンタメを再開するには、何をすれば良いのかを考え、前進しているのは確かです。
足りないのは、実証実験のデータであり、科学的根拠のない批判やコメントに耳を傾ける必要はないと個人的には思っております。
  
以下は、The Lancet Infectious Diseasesという著明な雑誌に掲載された実証実験の結果です。
  
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1473309921002681?via%3Dihub
  
参加者の登録は、コンサート当日の2020年12月12日の午前中に行われました。
呼びかけに応じ、試験に適格と判断された1140人のうち、
1047人を音楽イベントに参加する群(実験群)と通常の生活を続ける群(対照群)にランダムに割り付けました。
  
イベント参加者はイベント中のN95マスクの着用が義務化され、アルコール含む飲物は特別な部屋で提供、
会場内の複数の場所にアルコール手指消毒剤が置かれ、温度は19.3~20.4℃維持(クロークは閉鎖)、
イベント開始前に測定した二酸化炭素(CO2)の平均値は、ダンスホールで440ppm、バーで417ppmで、
いずれも市内の屋外で一般的に得られる値と同程度
(イベント当時の公衆衛生安全指針では、イベント中は800~1000ppmを超えないように推奨)、
イベント中はすべての出入り口のドアが開いており中庭から新鮮な空気を取り入れていました。
  
ベースライン時点では、対照群495人中15人(3%)、実験群465人中13人(3%)が、
Ag-RDT(迅速診断抗原検査)の結果が陰性であったにもかかわらず、
TMA (Transcription Mediated Amplification、PCR 法と同等の感度の「核酸増幅検査」) で陽性となりました。
RT-PCR検査は各グループの1例で陽性となり、細胞ウイルス培養では全例で陰性でした。
ライブから8日後、対照群では2名(1%未満)がAg-RDTとPCRの結果が陽性でありましたが、
介入群ではAg-RDTもRT-PCRも陽性例はありませんでした。
実験群と対照群の間の発生率の差の推定値は,-0.15%(95%信頼区間 -0.72~0.44%)でありました。
  
…(中略)
  
本研究では、COVID-19発生時に行われた物理的な距離をとる手段をとらず、
Ag-RDTによる同日スクリーニング、強制的な顔面マスク着用、十分な換気などの
包括的な予防的介入に基づいた屋内集団イベントの安全性に関するエビデンス構築のための
初めてのアプローチです。Ag-RDTによるスクリーニングは、RT-PCRやTMAと比較して、感染者の特定に有効であったようです。
ウイルス学的評価の結果から、ベースライン・スクリーニングを行うことで、
特に感染リスクの低い座席指定のある屋内イベント(例えば劇場)では、追加の予防措置を緩和できる可能性が示唆されました。
もちろん、今後のワクチン接種キャンペーンの拡大、地域的な発生率の変化、感染力の高い変異株の出現などにより、
今回の結果が一般化できない可能性があります。
したがって、COVID-19パンデミックのさまざまなシナリオで行われる今後の試験では、
その安全性を確認し、包括的な介入の中で実施される各感染予防措置がどの程度効果があるのかを
特徴づける必要があります。
今回の調査結果は、COVID-19で停止していた文化活動を再開する道を開くものであり、
これは社会文化的にも経済的にも重要な意味を持つ可能性があります。
  
ご興味のあるかた、ぜひ読んでみてください。
データの取得にモバイルアプリを用いている点、感染対策の詳細など、
非常に参考になります。
今後もこのような実証実験に着目し、
科学的根拠にもとづいた感染対策の議論を行い、
本邦でもライブを楽しめるような環境作りに貢献したいと思っています。
    

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