共同代表理事の柳澤です。
昨日の休日、家族で町田リス園に行ってきました。もっと、娘たちが小さい時に行っておけば良かったのですが、二人とも成人してからですが、まあ、それもありかなと。
<町田リス園>
https://www.machida-risuen.com/
すると娘が、ここはNPO法人(特定非営利活動法人)が運営していると教えてくれました。彼女たちが学生であった頃、父の私はNPO法人(特定非営利活動法人)の理事・事務局長をしていたので、その意味をいわゆる一般の人よりも知っているかもしれません。入園して、そういう視点でみると、なるほどなというところがいくつも見てとれました。
そんなことで、大学卒業後、民間企業(製薬企業)で18年間、その後NPO法人に10年間を経て、今は自由人(のように見えますが、民間企業でも、NPOといった形態に縛られない仕事)として、NPO法人(特定非営利活動法人)について経験したことをちょっと紹介しようと思います。
まずは、なんで製薬企業を辞めたかというと、いろいろ理由はあるのですが、単純にやりたいことがやれなくなったことです。患者さんならよくわかるかもしれませんが、もう当時から、ある病気の、ある進行期になると、選択される薬剤は限られてくるわけです。現在で言えば、特定の遺伝子変異には特定の薬剤が使用されるというのは当たり前の時代になりました。しかし、時に「●●製薬」は、「●●君」は「頑張ってるし、お世話になってるから」なんてこともあって。いや、そんなんで治療は決められちゃうの?というのと、まあ自分はこの舞台にいなくていいか。と思ったからです。もちろん、こんなケースが全てではないし、でも。同じ経験をもつ人にはわかって貰えるとも。
そこで、やるべきことができる場は、海外で見た、受益者(患者・家族)が主体的に自身の医療に関わり、社会にも情報発信し、研究にも貢献する非営利組織と思ったわけです。実際に、米国では多くの患者団体、支援団体がNon-Profit Organization(非営利団体)という形態で運営され、医療者、学会とも連携し、大きな役割を果たしていました。そんな視点で、私が働ける場がないかと探していたのですが、それが見事までにないのです。ないという意味は(これは医療系、がん領域に限りますが)、家族をもったおっさんが、家族を支えながらも働けるNPO法人とい言う意味ではなかったわけです。
私には、嫁も、育ち盛りの娘二人もいてて、発作的に会社を辞めたわけではありません。私が関わることになるNPOに1-2年はボランティアとして関わり、実際に会社辞めてやっていけるだろうか?ということも考え続けました。そんな中、日本のNPOも海外のようになっていく、そして、ないなら自分がやれば良いかと思うようになったわけです。まあ、いろいろあるわけですが、当時支援してくれた方々、スタートアップにあたっての財源を確保してくれた方々には感謝しないといけないなと改めて思うわけです。
意気揚々と、フルタイムでNPO法人に関わりだしてから直面したのは、NPO法人(非営利活動法人)に対する誤解でした。よく言われたのが、「非営利活動法人って利益だしてはいけないんでしょ?」とか「人件費はとってはいけないんでしょ?」というものでした。当時の私はといえば、めちゃくちゃ利益出して情報発信のプログラムも大きくし、めちゃめちゃ人件費も確保し、優秀な人材、特にがんに罹患して優秀なのに働く場を失った人の働く場になればと真剣に思っていました。そんなことで、外部に協力を求める際には、本来の活動の説明の前に、NPO法人の説明をしなくてはならないという状況で、おりしも、東北大震災で、怪しげな風貌の理事長を擁するNPO法人が壮大な過ちを犯したことから、私の風貌も決してよくないこともあって、きっと悪いことをしているというのがスタートで、いつも怪しい、怪しいと。好きで禿げたわけでなくて、伸ばすと落ち武者のようになるので、剃っていたわけです。余談です。
そして、NPO法人での10年間の挑戦も、まあ、いろいろあって辞めるわけですが、「非営利活動法人って利益だしてはいけないんでしょ?」とか「人件費はとってはいけないんでしょ?」というのは、「もしかして、NPO法人でお金取るの?」とか「まさかあんた給料もらってるの?」的な方もおられて、NPO法人もなかなか疲れるなというのが10年間の挑戦でわかったことです。だから、ガチでNPO法人1本で、頑張る人はすごいと思いますし、応援したい気持ちです。そして、一般の方、企業の方には、もし、ガチでNPO一本で、社会問題に取り組む人がいたら、是非、寄付など含め、応援してほしいと思います。
ところで、先にあげた「非営利活動法人って利益だしてはいけないんでしょ?」とか「人件費はとってはいけないんでしょ?」の答えは、以下の通りです。
引用(NPOWEB):http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?content_id=5
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「営利」とは、構成員(株主など)の経済的利益を追求し、団体の利益を構成員が分配することを意味します。
営利組織である会社は、株主が出資して会社を運転し、あがった利益を株主に配当するしくみになっています。
それに対して、「非営利」とは、団体が利益を上げてもその利益を構成員(会員など)に分配しないという「非分配」を意味します。つまり、「非営利」とは、利益を上げてはいけないという意味ではなく、「利益があがっても構成員(社員など)に分配しないで、団体の活動目的を達成するための費用に充てること」と説明することができます。
団体がサービスを提供した場合に、対価を得て、売上を上げても、そこから経費を差し引いて残った利益を団体の構成員に分配しなければ、それは非営利団体であるといえます。
利益を得ることを目的とする組織である企業に対し、NPOは社会的な使命を達成することを目的にした組織であるといえます。
よって、NPOが収益事業を行ってはならないとか、人件費を支払ってはいけないといった見解は、非営利性について理解が不足しているために起こる誤解といえます。
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NPOに関わりだしてから時間がたち、一生懸命やってると活動自体、組織自体の理解は進み、「非営利活動法人って利益だしてはいけないんでしょ?」とか「人件費はとってはいけないんでしょ?」的なことに対する説明もいろいろできるようになりましたが、今も記憶に残る面白いお話は、またFacebookポストでも紹介していこうと思います。